探偵経験
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 ケース3〜車社会の岐阜〜


ぼくが岐阜に転職してきたのが、11月に入ってすぐのころ。
転職した先の探偵事務所は、名古屋のときと同じくらいのこじんまりしたところだったけれど、忙しさが半端なかった。

しかも、その仕事のほとんどが“ポスティング”。
いわゆる、チラシ配りだ。
名古屋の事務所のときのA1サイズと違って、かなり小さいサイズのチラシ。

その意味は、仕事を始めてすぐにわかった。
小さいサイズのチラシは、少しでも予算を削る、という利点だけでなく、一度にたくさん持つことができ、配りやすい。

名古屋にいた頃は、調査の合間や、調査先に出向いた際に広める程度だったため、比較的、落ち着いたペースで配っていた。
けれど、この事務所、1台の車で移動し、2人一組で周辺にチラシを配る。
両端から2人で配って行く、ということは、だいたいどちらの配るペースが早いのか、おのずとわかってしまうことになる。
特に新人であるぼくは、毎日が先輩に負けてはいけない、というプレッシャーから、本来以上の頑張りで腕も足も筋肉痛。
それで翌日も、猛ダッシュでチラシを配るものだから、慣れるまでは毎日が地獄のような気がしました。
これ、かなりの体力作りになるらしいのです。

そう言えば、慣れているのか、探偵の先輩は翌日も“よしっ”という掛け声と共に、元気に目標地点まで走っていく。
ため息ひとつ、ついているのを見たことがないくらい。
なんでも、慣れてくると、今日はこれだけ配ってやる、という自分なりの目標ができ、他人とどれほど違うか、なんて気にならなくなるらしい。
ぼくが変に気にし過ぎていたようだ。
これ、“己との戦い”ってやつでしょうか?
ぼくは自分がいかに小さい器かがわかったような気がしました。

探偵の配るチラシは、住宅密集地か、田んぼの多いところかによっても違いますが、多いときは、一人2000枚を軽く超えることもありました。
配る地域をあらかじめ事務所の代表に連絡するのにも理由がありました。
本当に配っているか、知人や今までの依頼者で仲良くなっている人に確認できる、
ということと、その地域からの調査が1ヶ月以内に入ると、その2人に調査料金の一部が手当てとして入ることになっているから。
そうすることで、配る方にも力が入るのです。
最初のうちは、必死だったぼくも、半年もたつと楽しいとさえ思えたのですが、 それももう少し立つと、探偵の次の試練につながるのです。
実際に探偵の仕事をしてみるまでは、チラシ配りまでが探偵の仕事だなんて思ってもみなかった。
よくよく考えてみると、住宅のチラシもバイトのチラシ配り専門の様な人が配っている所もあるかもしれませんが、
大抵は営業の人が開いた時間を使って、自分の足で配っている事が多いのではないだろうか。
それを考えたら、探偵のチラシ配りを僕が行うのもおかしくはないのか?
しかし、探偵は基本的に、探偵であることを明かしてはいけないのではないのだろうか…。
顔がばれてしまったら、調査がしずらいことってあるのではないかと思うのだ。





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